Test17   EDIDのある液晶パネルの接続          TOPに 戻る
今 回のテストは液晶パネルからのDDC情報がノートマザーに認識されて使われているかの確認です。
昔の液晶パネルで解像度XGA(1024x768)、SVGA(800x600)全盛の時代は、
ほとんどの液晶パネルにDDC(Display Data Channel) 情報がなかったと思います。
液晶パネルがWXGAの解像度になると、解像度を区別するためDDC情報を持っているものが多くなってます。

ノート側(BIOS及びOSのドライバー)は、液晶パネルのDDC情報から、表示解像度を設定して動いている可能性があります。
これならノートマザーでも、解像度の違う液晶パネルを接続して使えるかも、ということになります。

結果を先にいうと、今回使ったノートマザーでは、本来のWXGA(1366x768)以外に、
WXGA(1280x800)とXGA (1028x788)の液晶パネルでも特に問題なく動きました。
動いたといってもBIOS画面とwindows7の起動画面を確認のみです。



1. テストに使ったノートマザー
 Socket G2 HM65-chipset のマザーで、EPSON NY2200S ノートのもの。
 EPSON NY2200S ノートの仕 様では、液晶パネルの解像度が「14型ワイドWXGA 1366x768 」となってます。

2. テストに使った液晶パネル   解像度の異なる(1)(2)(3)の3種です。
(1) B140XW03 (Au Optronics製):14"、WXGA(1366x768)、Sngle-LVDS(6bit)、LED backlight
 NY2200Sノートに入っていたもので映ってあたりまえの比較対象になります。接続ケーブルもNY2200Sノートのものです。
 マザー側の接続アサイン解析のため電源入らずのNY2200Sノートを入手しました。
 液晶パネルのデータシートが拾えたので、そこからマザー側のピン機能が判ります。

B140XW03 B140XW03

(2)LP133WX1 (LG.Philips製):13.3"、WXGA(1280x800)、Sngle-LVDS(6bit)、CCFL backlight
 接続ケーブルは解析情報元に自作、LCD-マザーの間に中継コネクタ入れてます。
 マザー側コネクタがこれしかないためと、液晶パネルの単独検証に中継コネクタの接続 で 行っているためです。
 CCFL backlightなのでインバータ基盤が別途必要になります。
 単に光らせるにはマザーからのbacklight電源とenable信号がオンになるのは 同じです。
 LCD側のケーブルは購入品(aitendo)ですがDDC信号・DDC電源の接続 線 がないので追加工してます。
 別ケーブルから線材つきのピンコンタクトを取り出して移植しました。
 LCDピンアサインはデータシートが拾えたので移植先は悩まずに済みました。

  LP133WX1

(3) TX38D82VC1AAF(HITACHI製):15"、XGA(1024x768)、Sngle-LVDS(6bit)、CCFL backlight
 LCD側のケーブルは手持ち部品から自作、マザー側のケーブルは、(2)のものと同一 品です。インバータも同じ品です。
 その昔works6(Dual Monitor)で使ったパネル、DDC ICがある数少ないXGAのパネルと思います。
 DDCのピンアサインはデータシートが見つからなかったので基盤を直接追っかけて調べました。

 XGAパネルのデータシートを何種か見ましたがほとんどのものはDDCのピンアサイ ンあ りません。
 データシート上あると思ったTM133XG-02L07Aのパネルも、実物はDDC の ICパタンがあるだけでIC実装されていませんでした。
 HRS20pinコネクタ中 17pin:DDC-VCC;19pin:DDC-clock,20pin:DDC-data信号になりますが、その先にICがないです。
  (IC:液晶パネルのID情報を格納する8ピンのシリアルROM)


  TX38D82VC1AAF   TM133XG-02L07A


3. セッテイング
 撮影用に再セッテイングした写真なのですっきりしてますが、「Socket G2 HM65-chipset マザー」の投稿とだいたい同じ状態です。
 LCDとの接続部分です。接続だけですが、接続解析も含めてかなり手間がかかった部分です。
  DDC接続無しの動きを見たときの写真なので、中継コネクタ箇所で1ピン外してます。

 


4. BIOS起動
 (1) 14"、WXGA(1366x768)、(2) 13.3"、WXGA(1280x800)、(3)   15"、XGA(1024x768) の順にBIOS画面の写真です。
 いずれも途中で切れることなく表示されているので、液晶パネルのDDC情報を読み取ってBIOSが画面表示していることになります。

  
                       (1)                                                             (2)                                                              (3)


5. OS(Windows7)起動
 (1) 14"、WXGA(1366x768)、(2) 13.3"、WXGA(1280x800)、(3)   15"、XGA(1024x768) の順にWindowsの起動直後の写真です。
 こちらも画面プロパティの解像度は、液晶パネルのものと一致しています。液晶パネルのDDC情報をドライバが読み取って画面表示していること に なります。

  
                       (1)                                                             (2)                                                              (3)


6. 念のためデバイスマネージャのモニタープロパティからハードウエアIDを見てみます。
 (1) B140XW03 (Au Optronics製)   --> AUO303C
 (2) LP133WX1 (LG.Philips製)    --> APP9C5F
 (3) TX38D82VC1AAF(HITACHI製)  --> HTC1C48
 となっていました。以下、順に画面キャプチャしたもの。
 AUOとHTCはメーカ名と一致ですが、LG.Philipps のAPP は何でしょうね?
  
                       (1)                                                             (2)                                                              (3)


7. 最後に
 今回、EPSON NY2200S のSocket G2 HM65-chipset のマザー(BIOSは、American Megatrends,INC.) での結果です。
 姉妹機のEPSON NY2100S ,NY2000 は同じ結果が得られる可能性高いと思いますが、他のマザーでどうなるかは判りません。
 なお、DDCが接続されてない状態ではBIOS画面が表示されませんでした。OS起動画面もうまく映りませんでした。



  TOP       2014.11.19  prepared by petersworks