HP T620 ThinClient

投稿者: | 2021年9月16日

1 まとめ HP T620 ThinClient をヤフオクで見かけるようになって半年ほど前に入手しました。このT620は、以前の投稿で改造したHP T610 ThinClientの後継機になるようです。外観の違いありますが3寸法はほぼ同じ (H x W x D) 240 x 220 x 40 mm(スタンド含まず)です。T610はfileサーバー(windows)として使っているのですが、ファンレスで調子良いです。T620もファンレスで、これを生かしてこのblogサーバー(debian linux)の後継にする予定です。
 なお、T620より小型のT520 ThinClient もあったのですが、2.5″HDDを内蔵(要改造)するには難しそうだったのでT620にしました。また、T620 Plusという、T620より横幅の大きいモデルもあり最初から2.5″HDD(SDD)が実装できるようです。(大きくなるのとファン内蔵なのでこちらはパス、24hr連続動作なのでファンレスにこだわります。)

T610 ThinClientとT620 ThinClient

CPU、メモリ、ストレージの違いは次でした。
1) T610 ThinClient
・AMD T56N 1.65GHz
・DDR3 1600MHz,4GB (2 SODIMスロット)
・16 GB / 32 GB SATA
2) T620 ThinClient
・AMD GX-217GA 1.65GHz
・DDR3L 1600MHz,4GB standard up to 16 GB(2 SODIMスロット)
・16-64GB MLC mSATA SSD(仕様は左記だがmSATAスロットが非実装、M.2スロットのみのモデルがある)

T620のほうが多少性能アップです。(性能比較 2_AMD G-Series GX-217GA vs G G-T56N)
でもCPU性能は低いのでデスクトップとして使うには厳しいです。PassMark(CPU Mark)、GX-217GA は762です。

2 改造 今回入手したT620は、CPUがGX-217GAで、mSATAスロット実装なし、M.2スロットのみの後期モデルです。(写真左:前期モデル、mSATAあり)(写真右:後期モデル、mSATAなし)
 

T620 ThinClientの内部

 2.5″HDDを内蔵するために改造が必要です。ブートデバイスとして使いたいので、2.5″HDDはマザーのSATA信号に接続したい。後期モデルは、mSATA信号がパッドで出ているのでここに接続します。SATAケーブルを切断して、ここにはんだ付けすることになります。詳しくは、こちらの(Adding a SATA drive)を参考にしました。
1) 信号は、mSATAコネクタのR+、R-とT+、T- (GNDもケーブルFGに配線)。
2) mSATAパッドのR+、R-とT+、T-から先のパターンでキャパシタが未実装になっていて追加が必要(カップリングコンデンサと思う)。キャパシタは不要マザーのSATA配線部分から転用しました。
3) +5Vは近くのUSBから配線
4) 2.5″HDDのマウンタは自作
 
 T620 ThinClient 改造後(2.5″HDD内蔵、Sumsungの1TB/5400rpm)の写真です。

T620 ThinClient(改造)2.5″HDD内蔵、Sumsungの1TB/5400rpm


mSATAパッドにSATAケーブルをはんだ付け

3 OSインストール 
1) BIOS起動画面です。SATA0がmSATAに接続したドライブ、SATA1がM.2に接続したドライブになります。ハードディスクドライブはレガシーブートのみで、UEFIブートにはありません。なので、UEFIでハードディスクドライブをブートすることはできないようです。実はUSB-CDでOSのインストール作業していて、UEFIブートが選択できたのでそのままインストを進めていました。インスト終了し、いざハードディスクからブートと思っても「起動デバイスが無い!?」となります。これにかなりハマりました。 原因は前述のBIOS画面(起動の制約でUEFIブートにハードディスクが無い)、なのでレガシーブートを選択してOSのインストール、こちらは特に問題ありませんでした。

BIOS画面(起動順序)

2) debian10をインストールしました。ThinClientですが特に問題無さそうです。

Debian10

3) 消費電力、ワットメーターで7Wとかなり少なく、以前のサーバーより低消費電力になりました。でも、OS起動時やBlog更新では、12Wなどの表示になるので、ピークは7Wの2倍程度はあるかなと予想してます。

ワットメーター実測

参考情報
1) HP t620の改造記事: Hardware(Adding a SATA drive)
2) HP t620の分解情報 PDF(Product End-of-Life Disassembly InstructionsProduct ・・・HP t620 Thin Client)に各部分の分解手順が示されています。マザーの取外しは、カバーを外した後、次の2か所(Rear BRKT取外しと、M/B取外し)を参照すれば良いです。
 ・Station 10 の Disassemble Rear BRKT
 ・Station 14 の Disassemble M/B

追記2021-10-7
マザーをシャーシから外した写真が残っていたので追記です。本体を薄くするため、ヒートシンクを薄型にして基板全体に広げてます。さらにシャーシー(写真、左)にも熱伝導するよう工夫されてます。(クリックで拡大)

HP T620 ThinClient マザーの取外し(分解)

HP T620 ThinClient」への4件のフィードバック

  1. 藤村 健司

    私も、この前、ハードオフで動作確認済みのT620を購入しました。電源アダプタ無しで 2,500円でしたが、凾体もきれいで、購入に踏み切りました。自宅に帰って、手持ちのHPのノートパソコンの電源アダプタをつなぐと、起動可能となりました。
    今は、手持ちのM.2 SATA 16GBのSSDで、volumioによるストリーミングサーバに挑戦しております。内蔵無線LANが認識されず、TP-Linkの安い無線アダプタで運用できそうです。ただ、置きたい場所が無線が届きにくく、内蔵のアダプタもIntel製に交換してみようと思っております。
    また、安定運用ができるようになりましたら、ブログで報告させていただきます。

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  2. petersworks 投稿作成者

     このThinClientは企業のリース切れのせいと思うのですが、けっこう出回ってる感じですね。私はオクで調達だったのですが、ACアダプタ付3000円(送料別)でした。でも同封されていたACアダプターは、なんとHP製135Wの馬鹿でかい品でした。T620適合だと65Wクラスみたいなので、余計なものを押し付けられた感じですが、あるだけありがたいと思わなければ(💦汗
     SSD使うと低消費電力かつ無音なのでサーバーになかなか良いと思います。無線が届きにくそうとのご心配ですが、ノートPCから外した無線LANアンテナがいくつかあります。お試しにご入り用でしたらご連絡下さい。

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  3. petersworks 投稿作成者

    > 内蔵無線LANが認識されず、
    無線LANアダプター、こちらはついてなったのですが、T620カタログ上ではbroadcom 802.11a/b/g/n Wi-Fi Adapter 、Intel 802.11ac/a/bgn DB Wi-Fi/BT Combo NICのいずれかとなっていました。確認済みかもしれませんが、実物の型名みてチップメーカーbroadcom(またはIntel)からドライバーを入手してみるのはどうでしょう?古い機種なのでwindows10対応は無理かもです。

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